フィットネス業界というのは常に常識が変化しています。理由としては、人体というものは未解明なところがいっぱいありまだまだ研究段階だからです。そしていろんな研究者が日々体の仕組みを解明するために様々な研究報告を発表しています。
たとえば、筋トレ直後の30分はゴールデンタイムと呼ばれプロテインはすぐに飲むべきとされておりました。様々な研究で筋トレ後30分がもっとも筋肥大効果が高いからそのように言われておりました。しかしいまは筋トレをやる60分前くらいにホエイプロテインを飲んで、タンパク質を補給し血中アミノ酸濃度をあげておくというのがメジャーになってます。ようは筋トレ終了後に摂取するのではなく筋トレ前に摂取するのがよいと言われてます。そうする事で筋トレ開始直後の筋合成から効果を最大化することが可能となるためです。
こういった様々な研究などから手法や方法が日々進化していく中で、筋トレの経験ない人が筋トレを始める際の頭の中にある思考として
「太ってる状態から筋トレを始めていいのかな?痩せてからがいいのかな?」みたいな悩みです。そんな悩みを経験のない人がさらにこう言います。
「脂肪を筋肉に変えるために、太ってる今からやればいいんじゃない?」と。
はたして本当に脂肪は筋肉に変わるために、筋トレを始めるタイミングは太っている状態からやるべきなのでしょうか?
それを今日は学んでいきたと思います。
対象者
いまから記載する内容は下記のような人に有効です。
- これからボディメイクやダイエットを始める人
この記事を読むと学べること
いまから記載する内容を読むと下記のようなことを学ぶことが出来ます。
- 脂肪と筋肉の違い
- 無酸素運動と有酸素運動の効果
筋トレについて
無酸素運動と有酸素運動
まず筋トレと言われているものは、無酸素運動と言われる運動になります。無酸素運動とは短時間や瞬発的に高強度な負荷をかけて動作をすることを意味します。その際、エネルギーとして利用するものはグリコーゲン(糖質)を中心に利用します。無酸素運動よって、血糖値の上昇を防ぐことが可能になりますので糖尿病の予防などにも効果的です。また筋トレを行ったときは筋繊維が損傷します。それらを回復した際には前回より強くなって回復するため筋力向上や筋肥大の効果を期待することができます。
一方、ランニングなどを代表とする有酸素運動と言われているものは、ある程度時間をかけて低〜中程度の負荷をかけて動作することを意味します。その際に、エネルギーとして利用するものは脂肪を中心に利用します。有酸素運動によって、脂肪を減らしていくことが可能になりますのでLDLコレステロールや中性脂肪の減少効果を期待することができます。
運動種別 | 利用するエネルギー | 期待する効果 |
無酸素運動 | グリコーゲン(糖質) | 糖尿病予防・筋肥大・筋力向上 |
有酸素運動 | 脂肪 | LDLコレステロール減少・中性脂肪減少 |
脂肪は筋肉に変わらない
結論から申し上げますと残念ながら脂肪と筋肉というものは全く異なるものになります。脂肪は脂質からできており、筋肉はタンパク質から出来ています。ともに栄養摂取を行い体内で変化し生成されるものではありますが、材料が異なるということです。
では、結局ボディメイクやダイエットを行なうためには何をしたらよいのかというと、脂肪を減らして筋肉を増やすという作業が必要になります。ではどうやって脂肪を減らして筋肉を増やすかというと答えは簡単です。
筋肉を増やす:無酸素運動
脂肪を減らす:有酸素運動
という形で無酸素運動と有酸素運動を両方行うということになります。
運動種別 | ダイエット上のメリット |
無酸素運動 | 筋肉を増やす |
有酸素運動 | 脂肪を減らす |
なぜ「脂肪を筋肉に変える」という表現がこんなに勘違いされて言われるようになったのかは定かではありませんが、運動していなかった人がボディメイクを始めるときは無酸素運動と有酸素運動の両方が必要になります。それらの知識がなかった人から見ると、太ってた人がかっこいい体になったら、まるで脂肪が筋肉に変身したように見えてしまうからだと思います。
いつ筋トレを始めるべきなのか
ではそもそも筋トレっていつどのタイミングに始めるのがベストかというと、「思い立った今すぐ」です。先程も述べたように太っていたからといって太ってない人に比べて好条件なのかというとそういうわけではありません。理由は脂肪が筋肉に変わることがないためです。
ただし現状太っている人は、体にエネルギーをたくさん摂取することが可能であるという強みがあります。たとえば、ダイエットは「食べることを我慢する」というのが一般的な考えだと思います。しかし、必ずしもそうとは言えません。確かに体脂肪を減らして行く上では摂取カロリーを減らし、筋肉を増やすためには摂取カロリーを増やす必要があります。だいたい太ってしまった人は、単純に食べすぎということではなくて、高カロリーなものを食べすぎているケースがほとんどなのです。なのでその体にエネルギーをたくさん摂取することが出来るという強みの方向性を改善することが重要です。
太っている人は筋トレ向き
みなさん、イメージして頂くとわかると思いますが
食事例A:チャーハン、ラーメン、餃子
食事例B:白ごはん(茶碗1杯)、味噌汁、野菜、鶏肉(皮なし)
これらの食事だとどちらが太りそうでしょうか?またAもBもおそらく食べれば誰もが満腹になると思います。
ようはクリーンな食べ物をお腹いっぱい食べたとしても、簡単に太るというわけではありません。もちろん食事例Bでも白ごはんを大量に食べれば糖質過多でカロリーが大幅に増えてしまいます。ただ、汁物の味噌汁を増やす、カロリーの低い野菜を増やすなどすれば十分な満腹感を得て、さらにカロリーを抑えることが可能になります。
実は筋トレを行なう上では、タンパク質と糖質が重要になってきます。タンパク質の量を1日あたり体重×2gぐらいの摂取が理想とされています。たとえば、体重70kgの人がタンパク質を140g摂取しようとすると鶏胸肉だと、700gも食べる必要があります。かなりの量ですよね。だけど、太っている人はそもそも多くの食事をすることが得意だと言えます。言い換えると食が細い人は筋トレをがんばっても食事の方で栄養が足りなくなりダイエットやボディメイクがうまくいきません。
なので体にエネルギーをたくさん摂取することが得意な人は、クリーンな食材から適切な栄養を食べ物から摂取するように改善すればもうダイエットは成功したと言っても過言ではありません。
筋トレってどんな人がやるべきなのか
筋トレは太っている人や痩せている人ともにおすすめすることが出来ます。
太っている人においては、有酸素運動をおこないつつ脂肪を減らして筋肉量を増やしボディメイクを行なう。痩せている人は、無酸素運動のみ行い食事管理をしっかりすることで体重を増やしていくことが出来、華奢に見られなかったり引き締まった体にすることが可能です。
もし痩せている人が筋トレをするのであれば、おそらく食が細い人がほとんどだと思います。そういう場合は、少しカロリーの高い食事をすることを意識したり、プロテインやマルトデキストリン(糖質)などを利用することで日々のカロリー摂取を増やすことを心がけましょう。
まとめ
無酸素運動は筋肉を増やし、有酸素運動は脂肪を減らすことがわかりました。ただし脂肪と筋肉はそもそも構成する成分が異なるため、脂肪が筋肉に変わることはありません。なのでダイエットやボディメイクを行なう上では無酸素運動と有酸素運動の両方を取り入れ行っていく必要があります。
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