トレイルランニング 初心者体験記~京都嵐山編①~

1人でトレラン体験記
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京都で走りませんか? トレラン初心者、初めての嵐山へ

トレラン歴半年の初心者、ワタクシよしぞう(2022年6月現在)。トレランの魅力に憑りつかれて、トレランの魅力、トレランドタバタ体験記をブログとInstagramに記し始める。

そんな私に「京都に走りに来ませんか?」とInstagramで声をかけてくれたのが、京都の山を知り尽くしたランナー、金田裕一さんだ。このブログを読んで、初心者向けの嵐山トレランツアーへ招待してくれたのだ。

松尾山、嵐山、鳥ヶ岳(からすがだけの3つの低山を結ぶトレイルを走るイベントだそうだ。嵐山!もう5年以上前に観光で行ったきりだ。竹林、渡月橋…あの美しい場所を走れるの? 即答で「行きます!」と返答するよしぞう。

夫に言わせれば、SNSで声をかけられた知らない男性と山で待ち合わせるなんて怖くない?だそうだが、待ち合わせ場所は夜中の山中ではなく爽やかな朝の嵐山駅改札前。メッセージのやり取りからしても絶対いい人、特に危険は感じない!行くしかない!

※事前にプロフィールやラン経験、イベント開催の経緯など伺いましたよ!

金田裕一さんプロフィール

ラン歴30年、トレラン歴20年。マラソン、トライアスロン、ウルトラマラソンのレース参加を経て、現在はトレラン大会の運営スタッフ、トレラン初心者向けイベント開催などがメイン。京都の山を多くの人に楽しんでもらいたい、山のマナーや安全な楽しみ方を伝えたいという思いで活動中。阪急嵐山駅から徒歩3分にあるジョグカフェ「musubi cafe(ムスビカフェ)嵐山店」主催の初心者向けランイベントの講師を7年前からつとめており、トレラン初心者へ山の魅力を伝え続けている。

トレランイベント当日、2022年6月12日。快晴の嵐山へ集合!

このブログでも嵐山ランイベントを紹介させて頂き、ブログを見て参加申し込みをしてくれた方も。嬉しい~ありがとうございます! アウトドアショップのトレランイベントで仲良くなったキャシー(仮名)とホワイティ(仮名)も、忙しい中参加してくれた。このお2人は私が理想とするトレランの楽しみ方を体現するトレランマダムだ。

当日の参加者は総勢15人。駅前の広場で自己紹介をした後、嵐山駅からほど近いランニングステーション「ムスビカフェ」に荷物を預け、嵐山へと向かう。嵐山っていう山が本当にあったのね!ただの地名かと思っておりました。

嵐山駅前 広場
嵐山駅前の広々した広場。晴天のこの日は観光客も多く、日常が戻ってきているのを感じました

「少し寄り道をしていきますね、まず嵐山の景色を楽しみましょう!」と金田さんが案内してくれたのは、京都では古くからの習わしとして行われている「十三まいり」でお馴染みの「虚空蔵法輪寺」

十三まいり

平安時代、若くして帝位についた清和天皇が、数え年十三になった際に成人の証として法輪寺で法要を行ったのがその発端。今でも京都では、子どもが立派な大人になるための通過儀礼として、十三まいりが行われている

青紅葉が美しく茂る寺の階段を登っていくと、嵐山の景色が一望できる大きな舞台があり、広々とした展望スペースになっている。「ふぁ~、きれい!」と歓声が上がる。桂川を隔てて嵐山の対岸に位置する嵯峨野、そして京都市内までも一望できる。

法輪寺 階段 新緑
法輪寺境内へ続く階段にて、イベント主催者の金田さん。トレラン歴20年!健康的な若々しさは、長年自然の中を走り続けてきた賜物でしょうか

私は東京出身なので、こうして京都を上から眺めると、いかに景観に配慮された都市であるかを実感する。東京によくある目がチカチカするような色の取り合わせや、乱立するビル群に見慣れていると、深い緑に囲まれたダークトーンの街並みの上品さが際立って感じられるのだ。

京都 景色 低山
低山に囲まれた京都の景色。中学校の修学旅行で、京都のコンビニが茶系で統一されているのをはじめて知り衝撃を受けた

京都の街並みを堪能したら、いざ嵐山のトレイルへ。山中へと続く細い山道は両側を竹に囲まれていて、THE・嵐山。この竹の道を人力車に乗って進むのが嵐山観光の王道だろうが、今日は短パン+トレランザックで山頂へと向かう。

嵐山 竹林 
嵐山キター!!とテンションが上がる竹林。ここで人力車に乗ってみたいと憧れていたが、自力で山頂まで走る日が来るとは!

「登りは基本歩きます。登山よりは少し早めのペースで行きましょう」と金田さん。自己紹介によると、今日のメンバーは初心者から上級者までさまざまなレベルのランナーが混在している。トレラン初心者、ペースがゆっくりの人は前に来るようアナウンスがあったので、私は前方について坂を登り始めた。初心者を前方にしたほうが遅い人にペースを合わせやすいし、引率者(金田さん)が声を掛けたりしながらケアできるという配慮からだ。

トレラン初心者向けイベント

初心者向け、初心者OK!というトレランイベントは多いが、参加者は初心者だけではなく、初心者~上級者まで様々な場合も。イベント開催場所の山を楽しみたい、大会前の調整で軽く足慣らししたい、たまにはゆったりみんなで山を楽しみたいなど、参加理由はさまざま。なので、初心者イベントかと思いきや、自分以外は強者ばかりというケースも。ついていけるか不安な場合は、初心者の割合やサポートスタッフの人数、コースの難易度などを事前に主催者へ確認しておこう

そして、最後尾にはスイーパーがつく。スイーパーという言葉をこのイベントで初めて知ったが、ランニング中に最後尾の人をケアするために付くスタッフのことだそうだ。走るペースが落ちて最後尾になったとしても、さらにその後ろについて参加者をケアするベテランランナーがいてくれるのだ。なんてきめ細やかな心遣い!

しかも後で聞いた話によると、今回スイーパーを務めてくれた方は鍼灸整骨院にお勤めで、ボディケアのプロ。初心者にとってこんなに手厚いトレランイベントがあるだろうか。万が一捻挫しても安心ではないか(ケガが無いのがもちろん一番!)。 

スイーパー

ランナーと一緒にコースを走り、最後尾についてランナーが安全に走れるようにサポートするスタッフのこと。「完走サポーター」と呼ばれることもある。スイーパーの語源は掃除機で、ランナーが走るコース上をきれいにするという意味から使われている

1人では行けない山道も、達人と一緒なら迷うことなく軽快に走れる!

竹林を抜けると雰囲気が一変、砂利道が続く雑木林へ景色が変わる。坂を登りながら金田さんに今日のコースの魅力を伺う。「ハイカーがあまり通らないトレイルをご案内します。松尾山、嵐山、鳥ヶ岳、3つの低山をつなぐルートで、なだらかで走りやすい道もたくさんありますよ!」。新型コロナ騒動でイベント開催が難しかった時期、1人で山に入り新ルートを開拓してきたという金田さん。

嵐山 地図 西山
松尾山、嵐山、鳥ヶ岳の位置を説明するかわいらしい手書きの地図が。金田さんはこの3つの低山を「西山スリーピークス」と呼んでいるそうだ

私のような初心者が1人で初めての山へ走りに行くのはハードルが高いが、道を知り尽くした達人(金田さんはラン歴30年、トレラン歴20年)と一緒なら、危険を回避しながら最大限にトレランを楽しめる。しかも、ハイカーが多い王道ルートではなく、地元の人もあまり知らないという魅力的なコースを探検できるのだ。

私はソロ登山の経験はある。一度登った山を1人で走りにいくこともある。けれど、道を熟知していないと途中で立ち止まり、スマホを出して現在地を確認する作業が必須になる。今回のようなイベントだと、初めての山でも迷うことなく軽快に走り続けることができる。トレラン初心者や、未経験の山をたくさん楽しみたいというランナーにはうってつけではないか。

楽しく会話できる程度のスピードで登り続けるうちに、砂利道が赤土に変わった。足元が滑りやすくなり、注意しながら登る。「こういう滑りやすい登り坂では、土にしっかり埋まっている岩に足をかけながら登ると、少し楽に進めます」と上り坂でのコツを教えてくれる金田さん。

短距離走で、スターティングブロックに足をかけてスタートするときのようなイメージだ。足裏にぐっと力が入りやすくなり、推進力に変わる。土に埋まっていない浮石に足をかけると転倒に繋がるので、気を付けたい。

さらにグングン進んでいくと、松尾山の山頂に到着。木々の間から嵐山、京都の街並みが見下ろせる。松尾山は標高276mの低山だが、盆地の京都を見渡すには十分な高さだ。

松尾山山頂 京都一周トレイル 道標
松尾山山頂に京都一周トレイルの道標。トレイルの要所要所にきちんと道しるべがある。さすが観光都市京都!

「ああ、しんどかった!頑張った私!」と、ホワイティが笑顔で眼下に広がる嵐山を眺めている。「登りが続きましたね~、頑張ったおかげでこの景色!」とよしぞう。「そうそう、この眺めを見たら登りのしんどさが帳消しよね」とキャシー。

キャシーとホワイティは、趣味のロードランニングを一緒に走っていた友人同士で、数か月前にトレランを始めたという。私が定期的に通う、アウトドアショップ主催のトレランイベントで知り合った、トレラン初心者仲間だ。トレイルランニングというと、山を駆け巡るハードなスポーツで、そこそこのランニングタイムと体力を持ち合わせた強者向けスポーツというイメージもまだまだある。

けれど、楽しみ方は人それぞれ。山の中を気持ちのいいペースで走り、登り坂の後に訪れる絶景や、おやつ休憩の時間を楽しむのもトレラン。決してストイックではなく、五感全開で自然を楽しめる遊びでもある。私にとって、そのいいお手本がキャシーとホワイティだ。キラキラした瞳で会話や写真撮影に興じながら走り、自分の心地よさに正直であることを忘れない。

「景色サイコーですね!」とほかの参加者たちとも笑顔で盛り上がる。私も絶景を前に写真をパチリ。子どもが生まれてからは、撮るばかりで自分が写っている写真はほとんど無いくらいだったが、トレランを始めてから「写真撮ってください!」とお願いすることが増えた。

嵐山 景色 
写真撮影スポットには事欠かないトレラン!スマホをザックの前部分に収納しておけば、気軽に撮影できる~

この景色、この緑の美しさ。必死に登った急坂でバクバク高鳴る心音。そのすべてに心を震わせていた瞬間を、忘れたくないと切に願う。

次回 トレイルランニング 初心者体験記~京都嵐山編②~に続く!

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