トレイルランニング 初心者体験記~京都嵐山編②~

嵐山 地図  1人でトレラン体験記
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前編のあらすじ

トレランの達人に招待されて、はじめて京都の山を走りに行くよしぞう。トレラン初心者にとってはハードルが高い「初めての山を走る」という挑戦も、トレランイベントに参加すれば難なくこなせることを改めて感じる。一緒に走れる仲間の存在に感謝と尊敬を捧げつつ、嵐山の竹林を走り抜け、最初の頂上に到着した。

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いざ、嵐山へ向かって走る!

松尾山山頂から京都の上品かつ雄大な景色を楽しんだら、次は嵐山へ向かう。嵐山駅に到着した時点で嵐山にいるつもりになっていたが、本当の嵐山はこれからなのだ!

今回は松尾山、嵐山、鳥ヶ岳(からすがだけ)の3つの山をつなぐコースを走り、それぞれの山頂も経由していくそうだ。どの山も標高400mに満たない低山で、初心者にも優しそう。低山でも累積標高が高くなると体力、走力を要するので、初心者は注意が必要だ。

累積標高

山の登り道すべての距離を合計した距離(標高)のこと。富士山のようにきれいな三角形で頂上までひたすら登っていく山もあれば、頂上までにアップダウンが何度も続く山もある。アップダウンがある場合は、すべてのアップ分を合計した距離が累積標高。標高が低い山でも、アップダウンが多く累積標高が高くなると体力的にきつくなるので、標高と距離に加えて事前に累積標高もチェック!

嵐山 山頂
山頂の表記もお手製感がかわいい!ここが本当の嵐山だ!

嵐山の標高は松尾山より高い382mだが、松尾山山頂まで登った分があるので、ここからは上り坂が続くわけではないようだ。「平坦な道では走りましょう!道が細く崖になっている場所では、体をやや山側に傾けるのを意識して走ってくださいね」。崖道を走るときは山側山側!と心の中で呟きながら走り出す。

松尾山山頂から嵐山、鳥ヶ岳をつなぐトレイルは、それほど大きな上り下りはなく、初心者にも走りやすい。この日は晴天で日差しも強かったが、木々に覆われた木陰のトレイルが続いていて、風があると涼しいくらいで気持ちよく走れる。

ところどころに倒木が現れ、横に倒れている幹をかがんでくぐり抜けていく。足元に気を配りつつ、頭上にも注意!なんだかジャングルジムで遊んでいるようだ。子どもたちを連れて来たら喜ぶだろうなぁ。

嵐山 トレイル
こんな感じの走りやすいトレイルが続きます!ハイカーさんとすれ違うこともあまりなく、サクサク走れました!すれ違うときは走るのをやめて立ち止まり、ハイカーさん優先で。挨拶も忘れずに気持ちよく山を楽しみたい

岩場を登る箇所や、なんだか頼りない木の橋を渡る箇所もあったりして、ドキドキ。

嵐山 岩場 トレイル
岩場が好きだ~。こんな時は手袋をしてて良かったと思う。夏用メッシュ手袋快適です

途中絶景ポイントもあり!渡月橋もズバッと見渡せる~。

嵐山山頂 嵐山城址
みんなでワイワイ景色を楽しむ。この時間も大好きだ~

ちなみに嵐山山頂は嵐山城址(お城があった場所)だそう。山頂に付くと参加者たちとワイワイ談笑タイムになるので、お城の跡には気が向かず過ぎてしまったのだが。

参加者との交流もトレランイベントの楽しみ

トレランイベントには年齢、性別、トレラン歴、さまざまな人々が集まるので、皆さんのお話を伺うのも楽しみの1つ。かなりハードな上級者向けの大会で上位入賞を経験している人、ランニング動画をアップしているユーチューバー、単身赴任中で気ままに週末トレイルを楽しんでいる人。皆さん思い思いに山をエンジョイしているお話を聞いているだけで、ワクワクしてしまう。

鳥ヶ岳山頂につくと、おやつタイム。金田さんが用意してくれていた甘いお菓子をありがたく頂く。しっかり走っていると、甘いものを食べるのに罪悪感が無いのもいいよね。むしろ、運動量が多いときはエネルギーが切れる前にしっかり補給せねばならない。

私はまだ長距離を走っていないのでエネルギー切れでフラフラなんていう経験は無いが、水分やエネルギーが足りなくなると、足がつったり、走れなくなることもあるそうだ。私の場合は逆に水分を取り過ぎてお腹がタプタプになる場合が多いので、飲みすぎ注意!

水分補給

夏は暑くて汗もダクダクでるのでマメな水分補給が大切だが、一気飲みではなく1口くらいずつちょこちょこ飲むのがいいらしい。ゴクゴク飲んでも吸収しきれず胃の中で水分がタプタプ状態に。トレランイベントでも、必携品(必ず持っていくもの)の中に水分量が明記されている場合があるので、要チェック!

おやつを食べて、写真を撮って、参加者同士談笑して。楽しい休憩時間が終わると、下りがメインの復路のスタート。「下り坂が苦手な人、ゆっくり下りたい人は前に来てください」と金田さん。下り坂は大好きだが、スピードに自信があるわけではないのでやはり前方チームに入る。

嵐山 景色 絶景
新緑と青空の美しさが目にしみる

なだらかな細い下り坂が続く道は、自然と足が前に進んでいくから、どこまででも走っていけそうだ。「気持ちいい~」と無意識に声が出るくらい心地良いトレイル。

私ってばなんてステキな楽しみを見つけてしまったのだろう。

嵐山の坂道
写真だとぜんぜん伝わらないが、ぐーんと下ってぎょいーんと上がる道。「下りのスピードに乗ったまま登ると楽ちんだし楽しいよ!」と教えてもらいました

以前キャシーが、「40代でトレランの楽しさに気づいたなんてうらやましいわ!」と言っていた。40代は平均寿命からしたら人生のちょうど折り返し地点。決して若くないけれど、まだまだこれからだ。人の体は長距離走に適していて、いくつになっても走り続けることができるらしい。ある本に、「歳をとるから走れなくなるのではない。走らなくなるから歳をとるのだ」という一文があったが、肝に銘じておきたい。
実際70代を越えてもトレランを楽しみ、レースに出ている方々はたくさんいる。これからまだ30年以上お山を走れるなんて、サイコーではないか!

「トレランにはいろんな楽しみ方がありますから、これからたくさん挑戦してみてくださいね!」と金田さん。「いろんな……とは、どんな楽しみ方があるんですか?」

「ナイトトレイル、夏は川に飛び込むドボントレイル、おいしいお店を目指して走ったり、大会に参加したり。ぼくは大会のスタッフもしているけど、それもまた面白いですよ」。なるほど、まだまだトレランの世界は奥が深そう。私はやっと入口に立ったところだ。

気持ちよくなだらかな道を駆け下り、再び竹林まで戻ってきた。そろそろトレイルは終わり、舗装路に戻る。ありがとう嵐山。サイコーだったよ!また来るね。

嵐山 竹林 トレイル 
最後の竹のトレイルを颯爽と下るキャシーの背中を追う。もう終わってしまう…とランの終わりはいつも寂しくなる。長距離を走ったらそんなことも言えないのだろうが。この日は10キロ弱をゆっくりペースで走り終えた

イベントが終わり、コンビニでゲットした缶ビールを飲みながら金田さんにお話を伺う。

あ、私はラン後ビールかソフトクリームで締めるのが定番でーす!

山を走るには、安全な楽しみ方を学ぶのが大事

金田さんは、トレラン初心者に山の安全な楽しみ方やマナーを伝えること、京都の山の魅力を知ってもらうことをモットーにトレランイベントを開催している。

「参加者全員が安全に山を下りてくること。主催者としてはそれを一番に考えています。1人になってつらい思いをしたら、もう山に行きたくないと思ってしまうしね」。本当に山が好きで、走るのが好きで、純粋にその魅力を伝えたいという思いが伝わってくる。だからこそ、営利目的ではなく、こんな素敵な集いを開催できるのだろう。

金田さんが立ち上げたFacebookグループでは、楽しいトレランイベントを開催中!

Find Trail of Kyoto(京都のトレイルを探しに行こう)

「山は慣れていても道に迷ったり、ケガをして動けなくなったりすることもあり得ます。だから、身元がわかるようにこんなものも携帯しています」

さすが山の達人の装備は違う!こちらのケース、アウトドアショップなどでも購入できるそう

この小さなケースの中に、名前や住所など身元の分かる情報を書いた紙が入っている。もし救助が必要な状況になって、その時意識が無かったり、痛みで朦朧としていたとしても、迅速に対応してもらえる。山へ入るときに必要な装備を省いてはならないというのはよく聞くが、こうして不測の事態へしっかり備えておくと、自分自身の安心感にも繋がりそうだ。

たくさんの学びをありがとうございます!

装備も体力も知識もまだまだ心細いよしぞう。こうして頼りになる、愉快な山の先輩たちに倣いながら、もっともっと楽しんでいくぞーう!

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