トレラン歴8か月、生活に山を走ることが根付いてきたよしぞう。トレラン仲間との一期一会を楽しみつつ、トレラン界で見聞を広めている。以前京都での初心者向けトレランイベント(トレイルランニング 初心者体験記~京都嵐山編①~ )に誘ってくれた京都の山の達人・金田(カナダ)さんから、新たなるお誘いが。
「夏の恒例人気イベント、ドボントレイルランやります!また京都に来ませんか?」
ドボントレイルラン!新ワード登場だ!お話を伺うと、真夏のトレランは汗だくになるので、トレイル途中で川に飛び込んで遊びつつ、汗を流すのだとか。文字通り川にドボン!するトレイルラン。
行く行く行くーー!!と即答、参加して参りました!
小倉山を登ったら、目指すは清流「清滝川」
7月最後の晴れ渡った週末、集合は阪急嵐山駅前。集合時間の9時半には参加者が続々と集まる。前回の初心者向けトレランでご一緒した方も数人いて、お久しぶりです!とご挨拶。知っているお顔が増えてきて嬉しいな♪ 駅前広場で簡単に自己紹介を済ませたら、カナダさんの先導で一同出発!

まず向かうのは、小倉山山頂。小倉百人一首、小倉あん発祥の地だとか。ちなみに小倉あんとは、こしあんに蜜で煮た小粒の大納言小豆を粒のまま加えたあんこのことだそう。こしあんと粒あんのおいしいとこ取りなのね、知らなかった~。
標高296mの小倉山山頂を目指して、ゆっくりペースで走ったり歩いたりしながら進む。京都は低山が多いので、トレラン、登山初心者に向いていそうだ。カナダさんいわく、「低山でも油断すると道迷いするからルートはしっかり確認してね」とのこと。
そんな話をしていたら、「そうそう、私前回小倉山で迷って大変な目にあいました」という声があがる。「友人と話に夢中になっていたら、気づいたらルートを外れていました。そのままだいぶ進んでしまったので、気づいたときは焦りましたよ」という参加者のリッキーさん(仮名)。山の初心者ではない、こなれた風情のリッキーさんでも迷うのね。やはり低山だからと油断してはいけないな。
山で遭難する原因の第一位は、道迷い。二位が滑落、三位が転倒。遭難の実に40%以上が道迷いだ。そして、気軽に登れそうな低山は、実は道迷いのリスクが高い。 低山は高山に比べて登山道の情報が少ない上に、農道や生活道などの分岐が多く、道標も少なかったり、あっても小さく視界に入りづらい場合も。情報収集をせずに低山へ出掛け、分岐を間違えて気づかないまま進んでしまうと、いつの間にか遭難していたなんて事態に。低山だと侮らず、事前準備をしっかりしておきたい
今回は、京都の山を走り尽くしたカナダさんのアテンドなので、分岐や道迷いは心配せず山を楽しむことに集中できる。しばらく登り続けると、眼下に清滝川が見えてきた。200m上から覗いても、川底が見えそうなくらいきれいな清流! 登り坂の後には、いつもこんなご褒美がやってくる。

ラフティングを楽しむボートが連なって上流から流れてきた。「おーい!!ヤッホー――!!」と叫んで手を振る女子2名。ボートからの反応は全くないが、諦めずに何度か叫び続ける。かわいいな~。

絶景を眺めつつ、スタコラ登り続けて小倉山山頂までもう少し!
「山頂には小倉あんのパフェがあるかな~」とカナダさん。えっ、あるの?食べたい!と色めき立つよしぞう。「何があるか、行ってみてのお楽しみ♪」という言葉にワクワクしながら着いた山頂には、かわいい手作りの「小倉山山頂」と書かれた看板があるのみ。木立に囲まれて景色も見えないが、山頂に来たことに意義があるのよね。


「小倉あんパフェは無いけど、お楽しみは用意しているから、もう少し頑張ろう!」とカナダさん。うんうん、清滝川へ向けて出発!お楽しみってなに?
山頂を過ぎると、あとは下り基調。途中、ごつごつした岩場の急坂も現れる。両手を使ってよっこいしょと慎重に下る。やはり低山だからと油断はできない。山へ行くには山の装備が必要なのだと改めて感じる。
岩場を過ぎ、直線の広い下り坂を過ぎ、曲がりくねった舗装路を越えると、清滝川のせせらぎが聞こえてきた。すでに滝汗でウエアはびっしょり。川への期待が高まる高まる。

赤い橋を越えて川沿いの道へ降りると、清滝川が目の前に広がる。穏やかな流れに透き通った川の水は、透明、ブルー、グリーンと広がるグラデーションが美しく、キラキラ光る水面に見とれてしまう。「おおー!着いた~!」と一同から歓声があがる。
「サンダルに履き替えて、川に入りましょうか!」とカナダさん。持参したワラーチサンダルをザックから引っ張り出し、川にいざ突入♪♪
冷たっ!外気温に比べて、川の温度はずっと低い。最初はためらいながら、徐々に腰まで、そして肩まで浸かって、えいやと泳ぎ出す。体温が上がって、全身汗まみれの身体が一気にクールダウン、気持ち良すぎるぞ。
「飛び込みたい人はこちらからどうぞ!」と飛び込みスポットの案内があり、数人が岩場から川にダイブする。みんな、子どもみたいにイキイキしてはしゃいでいる。

学校を卒業して、就職して、遊びと言えば夜飲みに出掛けたり、買い物したり、映画を見たりすることになっていた。子どもが生まれてからアウトドアで遊ぶことが増えて、自然の中にいるのが大好きになった。そして更に、子どもと離れて大人だけで、こんなふうに大自然の中を遊びまわるようになった。
インドア文系、スポーツや野外活動とは無縁だったのに。人生どんな展開が待っているか分からない、今の私ってサイコー!
そして、一緒に遊べる大人たちがいることが、ありがたい。ずぶ濡れで着衣平泳ぎをしながら、よしぞうは不思議な感慨に包まれていた。
「みなさん、お楽しみです、お待たせしましたー!」とカナダさんの声。なんと、川辺でスイカ割りの準備を始めている。まるまる大きな立派なスイカ!まさかトレランザックに入れてたの?さすがに無理よね。
前日から自宅の冷蔵庫で冷やし、朝早く川の手前の峠に隠しておいてくれたらしい。小倉あんパフェよりずっとステキなサプライズ。このイベント、営利目的ではなく参加料もワンコイン。愛だね、愛!ありがとうございます。
右向いて!くるっと回って!真っすぐ―!とワーキャー叫びながら、大人のスイカ割り。笑顔もはしゃぎ方も、子どもと変わらないけれど。年齢は記号でしかないのだ。

汗を出し切った体に、スイカが染み込む染み込む。おかわりして二切れペロッと完食。川でクールダウンして、水分糖分、カリウムにビタミンCも補給。まだまだ元気に走れそう!
帰路は、清滝川のほとりの岩場をしばらく歩き続ける。川の景色、せせらぎの音、心地よい風、川遊びを楽しむ子どもたちの様子。ひと気の無い川辺では、外国人男性が浅瀬にデッキチェアとデスクを並べ、足を川に浸しながらパソコンを叩いている。そのすべての光景が、切り取られた絵画のように心の中にペタペタ張り付いていく。

川沿いの道が終わると、清滝トンネルを抜けて、ロードランが続く。ランと行ってもほとんど歩き。猛暑の中疲れや熱中症が出ないようにと配慮してくれているのだ。
トロッコ列車の乗車場をちらりと覗き、嵐山といえばここ!の竹林を抜けて、阪急嵐山駅へ向けて歩く。


もう終わってしまう。お山を走って、終わる間際にはいつもそう思う。しんどいと思った登りも、振り返ると全部美しい思い出に書き換えらえてしまう。人間の脳って本当に都合よくできているのだ。こうしてまた、トレラン沼にずぶずぶハマっていく。
駅に着いたら、コンビニでビールとおつまみをゲットして、お疲れ様の乾杯!これもまたサイコー。ラン後のビールまでがランなのです。

トレランを始めたら、行きたい場所がたくさんできた。お山で出会う素敵な人達に刺激をもらい、今という一瞬を全身で味わう心地よさを知ってしまった。さあ、次はどこへ行きましょうか♪
カナダさんが主催するFacebookグループ
Find Trail of Kyoto(京都のトレイルを探しに行こう)では、不定期にトレランイベントを開催中!京都のお山を中心にオトナたちが楽しんでいます!
さらに走れるようになるためにトレーニングの記録をのせた40代からはじめるスポーツをもっと楽しむ身体づくり①トレーニングとオーバーユースもあわせてご覧ください。
コメント