今回から少し趣向を変えて、私のトレラン実体験を小説風に書いていきまーす!
- トレランの面白さ
- トレランを始める前に知っておきたいこと
- トレラン豆知識
- 何か運動を始めたい人のヒントになること
などをお伝えしていくつもりです。物語としても楽しんで頂けたらうれしいです。
※個人の設定やセリフなどは適宜変えてあります
1人山を歩き回る日々に、トレランと運命の出会い
地元の山を登り続けて半年が過ぎた。春夏、もう秋に差し掛かる。産後太りの下腹に嫌気がさし、手っ取り早く運動をして贅肉とおさらばしたいというのが、登山を始めた動機だった。
同じ道をひたすら登り、下る。週に3回、多ければ5回のペースだが、不思議なことに飽きない。景色は日々変わり、昨日青く見えた朝日が今日はピンクだった。歩くほどにもっと歩きたくなる。自分でもこんなに続くとは思わなかった。
そんな日々に充足し、当初の目標だった体重減や筋肉増も果たしていた。けれど、体の奥深くから聞こえる声がもう抑えきれなくなっていた。
「もっと大きい山に登りたい……!」
飽きたわけではない。あなた(標高600メートル)には深い愛と尊敬がある。けれど、人間は経験と成長を楽しむ生き物。新しい世界へ……!
そんなヒリヒリする思いを抱えていたある日。ネットであるイベント告知を目にする。
トレイルランニング講座 登山がお好きな方におすすめ!
- 全長約10キロ ハイキングとランニングで登山を楽しみます
- おやつとコーヒーのサービスあり
トレイルランニングって、山を走るやつ? たまにすれ違う、あの小さなリュックに短パンの人たちのことよね?おやつもあるって?
おし、申し込もう!イベント詳細をチェックする前にそう直感が降りてきて、すぐに参加希望のメールを送った。これは、セレンディピティ(素敵な偶然に出会うこと)というやつに違いない。
トレラン入門講座に勢ぞろいした強者達
約一か月後、待ちに待ったトレランイベント開催の日、私は集合場所の駅改札前に立っていた。自宅から電車で片道約2時間かけて六甲山までやってきたのだ。標高931m。滝や風光明媚な景観、起伏に富んだコースが楽しめるらしい。
数日前から胸の高鳴りと緊張が続いていた。そのせいなのか何なのか、よりによって生理2日目だ。生理がくると、いつも下腹痛、腰の重ダルさ、軽い貧血に悩まされてぐったりしているというのに、なんだかわからない情熱に突き動かされてここまで来てしまった。
対策はもちろんとってある。友人に教えらえた「月経カップ」だ。生理用ナプキンでは激しい運動に耐えられないし、トレラン中にそんなにちょいちょいトイレに寄れるわけではないだろう。イベント告知をよくみたら、「4時間の行程中トイレはスタート地点にしかありません」と明記してあるではないか。
重ダルいお腹とはじめてのトレランへの期待を抱えながら、10人の参加者、イベント主催者のランニングコーチ・アラン氏(仮名)による自己紹介タイムへ。名前と、今年楽しかったこと、嬉しかったことを一言ずつ話すということだ。
(今年楽しかったことか…。子どもとひらパーに行ったのが楽しかったなぁ…)と思案を巡らせていると、トップバッターの細マッチョダンディ・ダン氏(仮名)が話しはじめた。
「今年は目標だった100キロのレースを予想以上にいいタイムで完走できて嬉しかったです。次は100マイルレースへ向けてトレーニングを積んでいきたいです」
おおー!完走おめでとう! 素晴らしいね! と歓声が上がる。
え…100キロ? 100マイルってなに?(後で調べたら100マイルは160キロ。海外では割と一般的な距離のレースで、近年日本でも100マイルレースが増えているそう)
続いて、おそらく私と同世代の華やかメイク関西美女・キャットちゃん(仮名)。「今年はフルマラソンを2回完走して、自己ベストを更新できたのが嬉しかった!パーソナルトレーナーについて全身の筋肉を強化したので、故障もなく楽しく1年走れました」
パーソナルトレーナー?なんなん。フルマラソン2回完走。なんなん(どういう意味?という関西弁)!
ほかの参加者たちからも、「ロードランからトレイルに転向して1年目でしたが、60キロのレースを完走することができました」「今年はコロナで予定していた海外のレースはキャンセルでしたが、国内のレースをたくさん楽しめました!」など、耳を疑うような今年楽しかったことのお話が続いた。
(私、10キロも走ったことない。5キロもない…。登山好きにおすすめの入門イベントって書いてあったやんな…? ひらパーが楽しかったって言えない…)。
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